【追憶の彼方~過去と未来の約束~・Short Story】幼なじみの特権(悠吾ルート前提・天音独白)

2014年4月5日土曜日

Short Story 追憶の彼方

t f B! P L
追憶の彼方~過去と未来の約束~悠吾ルート前提の話ですが、天音しか出てきません。

プレイ済みの方ならわかると思いますが、悠吾ルートの天音なので
幸せな話ではありません。



このまま、俺が何もしなければ
ひょっとしたらは俺の方を向いてくれるかもしれない。

そんなせこいこと考えてる自分に心底嫌気がさす。
ごめんな、
何度も泣いたの俺のせいだ。
でも、もう大丈夫だから。

泣いているを見て思った。
本当には佐上のこと好きなんだ。

それに、佐上ものこと
まんざらでもなく思ってるって気づいた。

邪魔してるのはなんだ?
佐上がを受け入れない理由は?
他に考え付かない、きっと遠慮してるんだ。
誰でもない、俺に。

泣かせたくない、笑っていてほしい
そう思っている相手が泣いている理由が
自分だなんて、なんだか笑える。

佐上はいいやつだからさ、俺のこととか
気にしちゃうんだ。
告げる勇気もない思いを抱いてる俺のことなんて
放っておけばいいのに。
そんなやつだからこそ、は好きになったんだろう。

いっそのこと、佐上が最低な人間で
「そんな奴やめろ!」って言えたなら
よかったのに。


だから決めた、人生最大のうそをつこう。
誰も傷つかなくて、幸せになるなら
それが一番いいんだ。

苦しいかもしれない。
でも相手のことが本当に好きだったら
その幸せを願うのが、本当だよな。

佐上もきっと級の鈍感だから
だますくらいなんてことないはず。

言えるだろ、
のこと大事に思ってるけど、
そういう感情じゃない」って。
簡単だ。たった一言そういえばいい。

二人が恋人同士になったら、一番近くにいるのは俺じゃなくなる。
でもそれでも、一番の相談相手っていうポジションは
譲りたくない。
譲らなくてもいいよな?
それって幼なじみの特権だろ?






「だからさ、困ったら俺に相談すればいいんだ。
何でも聞くから。」

相談するって言ってくれて嬉しかった。
それだけでもう十分だから。

「私、天音が幼なじみで本当に良かった。」

すごく嬉しくて、すごく悲しくて、甘美で残酷なセリフ。

居場所をくれてありがとう。
たとえ誰かのものになったとしても
俺にとって、一番大切な幼なじみなことに変わりはない。

でも、嘘もつき続ければ、きっといつかは本当になるんだろう。
……それがいつになるのかは、まだわからないけど。

……いつかさ、言えたらいいなって思うんだ。
「実はお前のこと好きだったことあるんだぞ」って。
そしたらお前どうするかな?
困った顔して笑うかな?
そんな風に笑って話せる日、いつか来るんだろうか?

……そんな日が来ることを願ってる。



★あとがき★

実はこれ、本編おまけに入れる予定でしたが、
ちょっとおまけに入れるには辛気臭すぎるかなあと思いこんなところで公開(笑)

天音好きな方には悠吾ルートきつかったかもしれないですよね、ごめんなさい……
天音は、「主人公が幸せならそれでいい」というキャラクターです。

ブログアーカイブ

人気記事

ゲームに使える素材集

著作権フリー背景素材集[家]
著作権フリー背景素材集[家]
著作権フリー背景素材集[体育館]
著作権フリー背景素材集[体育館]

QooQ