【追憶の彼方~過去と未来の約束~・Short Story】いまだ犯人不明(天音後日談)

2014年4月5日土曜日

Short Story 追憶の彼方

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追憶の彼方~過去と未来の約束~のおまけ「この事件は迷宮入り?」の続きになります。
該当のおまけを見た後にご覧ください。



九条 天音
「そういえば…結局あの電話は
なんだったんだろうな?」

ふと思い付いたように天音が言った。

天音が言っているのはきっと、
私がナンパに声かけられた日のことだと思う。

後々聞いた話だけど、あの日
見知らぬ人間から天音に電話があったらしい。

要約すると「私のことは俺がもらった~」
みたいな内容だったらしい。

天音はその場に居合わせた
ナンパの人だと思ったみたいだけど……

私と話してた間は電話なんてしてないし、
そもそも天音が私を捜してた時間を考えると、
もっと前に電話してたはずだからおかしい。

だからといって、私と話す前に
そのナンパの人が電話するわけないし
天音の番号知ってるわけない。

じゃあ誰が?

あり得そうなのは、将くんだけど、
天音の番号知らないだろうし
なにより、天音だったら将くんの声わかるはず。

後は、そっか……シャムとか?
一番あり得そう!!
シャムだったら天音の番号、
力使うなりしてわかるはずだし、声自体変えられそう!

今度また会えたら、聞いてみよう。

シャムは会いたいなーって思って眠ると
ときどき夢の中に姿を現してくれた。

この予想はかなりいけてるんじゃないかって思ってたのに
あっさりとシャムに否定されてしまった。




シャム
「僕、濡れ衣を着せられてるよね。」

シャム
「思わず否定するために、出てきちゃったよ……」

 
「え!?」

シャムは人の心の中が読めるから、
私が何かを言う前に、聞かれることがわかっていたみたいで……
夢で会って、開口一番こう言われた。

シャム
「僕じゃないよ、電話かけたのは。」

 
「だって、身体がなくても声だけなら
私たちのいる世界にも届くよね?多分……」

シャム
「僕、体ないのに、どうやって電話かけるわけ?
まあやろうと思えば、実体化もできなくもないんだけど……」

シャム
「それに、僕自身が、直接君たちの世界に関わるって滅多にないよ。
人は使うけど。」

 
「じゃあシャムじゃないの?」

シャム
「うん。僕じゃないね」

 
「それじゃ誰が……?」

 
「シャムは知ってる…んだよね?」

シャム
「まあ、僕にわからないことなんてないからねー」

 
「えー、教えてよー!!」

シャム
「どうしよっかなあ~、僕疑われたしなあ~」

 
「それは今までの行いが悪いからでしょ!」

シャム
「それが教えてもらう人に対する態度??」

 
「はい、すみません!教えてください、お願いします!」

シャム
「よろしい……、と言いたいとこだけど……
残念だけど、教えてあげられないかなあ」

 
「えええー!」

シャム
「君たちは、思った以上にいろんな人に
見守られてるんだよ、きっと……」

 
「それ、答えになってなーい!!」

シャム
「知らない方がいいってこともあるかもしれないしね。」

シャム
「それに、ひょっとしたら……数か月後に
わかるかもね……?」

 
「それ、どういう意味?」

シャム
「さあ~?どういう意味でしょう?」

 
「シャムのいじわるーーーー!!!」



この数か月後……
響学園に入学してきたナンパ君と再会するまで
私は悶々と日々を過ごすことになった。



★あとがき★
濡れ衣を着せられる、かわいそうなシャムの話(笑)
でも、普通に考えたらわからないよなーという。
実際、ナンパくんと再会したらどうなるんでしょうかね(笑)

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